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不動産売却でかかる費用とは?内訳ごとの目安と手取り額の計算方法

住宅の査定・売却

染野 和弘

筆者 染野 和弘

不動産キャリア20年


自宅の売却を考え始めると、多くの方が気になるのが不動産売却で実際にかかる費用です。
仲介手数料や税金、登記費用、さらには引越し代まで含めると、売却価格からどれだけ差し引かれるのか分かりにくいと感じる方も少なくありません。
しかし、あらかじめ費用の内訳とおおよその金額のイメージをつかんでおけば、資金計画も立てやすくなり、手元にいくら残るのかを冷静に判断できます。
この記事では、不動産売却にかかる主な費用の種類と支払いタイミングを整理しながら、費用を抑えつつ手取り額を最大化するための考え方を分かりやすく解説します。
これから自宅を売却したい方が、安心して次の一歩を踏み出せるよう、具体的なポイントを順番に見ていきましょう。

自宅の不動産売却でかかる主な費用と全体像

自宅を売却するときには、売却価格そのものとは別に、さまざまな費用が発生します。
仲介手数料や税金、登記費用などを合計すると、一般的には売却価格の約3%前後に数十万円を加えた金額が必要になることが多いです。
具体的な割合は物件の価格帯やローンの残債、売却の条件によって変わりますが、事前に全体像を把握しておくことで、手取り額の見通しが立てやすくなります。
まずは「どのような費用が、どの程度かかるのか」という大枠を押さえておくことが大切です。

不動産売却の費用は、大きく分けると「仲介手数料」「税金」「登記や書類の取得などの諸経費」といった項目に整理できます。
仲介手数料は、売却を依頼する不動産会社に支払う報酬で、金額が大きくなりやすい費用のひとつです。
税金には、利益が出た場合にかかる譲渡所得税や住民税のほか、売買契約書に貼付する印紙税などがあります。
このほかにも、抵当権抹消登記に必要な登録免許税や司法書士報酬、場合によっては測量費用や建物の解体費用、引越し費用などが加わることを意識しておくと安心です。

これらの費用は、支払うタイミングがそれぞれ異なるため、資金計画を立てるうえで整理しておくことが重要です。
売却活動の前後に発生しやすいのが、測量費用や解体費用、ハウスクリーニング費用などで、売却準備の段階で支払うことがあります。
売買契約時には契約書に貼付する印紙税、決済時には仲介手数料の残額や登記関連費用、ローン残債の精算などをまとめて支払うのが一般的です。
さらに、売却で利益が出た場合は、翌年の確定申告時に譲渡所得税や住民税を納める必要があるため、「売却時」と「翌年の納税時」という2つの時期を見据えて、余裕を持った資金計画を考えることが大切です。

費用の種類 主な内容 支払い時期の目安
仲介手数料 不動産会社への報酬 売買契約時と決済時
税金関係 印紙税・譲渡所得税など 契約時と翌年の申告時
諸経費 登記費用・測量費用など 売却準備時と決済時

不動産売却費用の内訳① 仲介手数料・印紙税・登記関連

まず、多くの方が気になる仲介手数料について整理します。
宅地建物取引業法では、仲介手数料の上限は「売買価格×3%+6万円」に消費税等を加えた金額と定められています。
例えば売買価格が4,000万円の場合、上限は18万円に消費税等を加えた金額が目安になります。
支払いのタイミングは、契約時と決済時の2回に分けて半額ずつ支払うケースが多いですが、具体的な時期は媒介契約や売買契約の内容を確認することが大切です。

次に、売買契約書に貼付する収入印紙に関係する印紙税についてです。
印紙税は、契約書に記載された売買金額に応じて税額が変わり、国税庁が公表している印紙税額一覧表に基づいて判定します。
不動産の譲渡に関する契約書については、令和9年3月31日までの間、一定の軽減税率が適用されており、たとえば売買金額が1,000万円を超え5,000万円以下の場合は2万円が目安となります。
印紙税は契約書1通ごとに必要になるため、契約書の通数と記載金額を事前に確認しておくと安心です。

あわせて確認しておきたいのが、登記に関する費用です。
住宅ローンが残っている場合には、完済と同時に抵当権抹消登記を行う必要があり、登録免許税に加えて司法書士に依頼する報酬がかかるのが一般的です。
抵当権抹消登記の登録免許税は、不動産1個につき1,000円と定められており、司法書士報酬は数万円程度が相場とされています。
これらの登記関連費用は、決済時に一括して支払うことが多いため、仲介手数料や印紙税とあわせて資金計画に組み込んでおくことが重要です。

費用項目 主な内容 支払い時期の目安
仲介手数料 売買価格に応じた成功報酬 契約時と決済時など
印紙税 売買契約書に貼付する収入印紙代 売買契約書作成時
登記関連費用 登録免許税と司法書士報酬 決済時に一括支払い

不動産売却費用の内訳② 税金・測量・解体・引越しなど

自宅を売却して利益が出た場合には、譲渡所得税と住民税が発生する可能性があります。
譲渡所得は「売却価格-取得費-譲渡費用-各種特別控除額」で計算し、赤字であれば税金はかかりません。
また、所有期間が売却した年の1月1日時点で5年を超えるかどうかで、適用される税率区分が変わります。
税率は所得税と住民税を合わせて、長期譲渡所得の場合は約20%台、短期譲渡所得の場合は約39%台が目安です。

所有期間が5年を超える長期譲渡所得では、所得税率15%・住民税率5%に復興特別所得税が加算されます。
一方、5年以下の短期譲渡所得では、所得税率30%・住民税率9%に復興特別所得税が上乗せされるため、負担が大きくなりやすいです。
自宅として一定の要件を満たす場合には、最大3,000万円の特別控除や軽減税率などの制度もあります。
どの制度が使えるかで納める税額は大きく変わるため、売却の前後で国税庁の情報を確認しておくことが大切です。

不動産売却では、土地の境界を明確にするための測量費用や、古家を取り壊すための解体費用が必要になる場合があります。
測量費用は土地の面積や状況により幅がありますが、数十万円規模となることも少なくありません。
建物解体費用も構造や大きさ、アスベストの有無などにより金額差が生じ、こちらも一般的に数十万円から数百万円程度になることがあります。
さらに、売却前の印象を良くするためにハウスクリーニングを行う場合、その費用も自己負担となります。

自宅を売却すると新居への引越し費用や、一時的に別の住まいを借りる場合の仮住まい費用も検討しなければなりません。
引越し費用は荷物量や移動距離、時期により変動し、繁忙期は高くなる傾向があります。
仮住まいが必要なときは、賃料だけでなく敷金・礼金・仲介手数料、更新料なども想定して資金計画を立てることが重要です。
このように、売却代金を受け取る前後で多くの支出が重なる可能性があるため、早い段階から全体の見積もりを行っておくと安心です。

費用の種類 主な内容 事前確認のポイント
税金関連費用 譲渡所得税・住民税 所有期間と控除制度の確認
測量・解体費用 境界測量・建物解体 必要性の有無と概算見積もり
引越し・仮住まい費用 引越し代・賃料など 時期と期間を踏まえた予算設定

これから自宅を売却したい方の費用節約と手取り額の計算手順

まず、自宅の売却では税金面の控除制度を確認することが、費用節約の基本になります。
代表的なものとして、一定の要件を満たす自宅の売却益に対する「居住用財産の特別控除」や、買い替え時の特例などがあります。
また、確定申告で必要となる書類や期限を事前に確認しておくことで、控除を漏れなく適用しやすくなります。
どの制度が利用できそうか、早めに税務署や国税庁の情報を確認しておくことが大切です。

次に、売却後に手元へ残る金額を把握するための計算手順を整理しておくと安心です。
一般的には、まず見込まれる売却価格から、住宅ローンの残債を差し引きます。
そのうえで、仲介手数料や登記費用、印紙税、測量費用、引越し費用など、発生が見込まれる諸費用を順に差し引いていきます。
最後に、売却益が出る場合は、控除適用後の課税対象額を基に譲渡所得税・住民税を概算し、最終的な手取り額の目安を確認します。

さらに、売却前の準備段階で費用を見直すための項目を整理しておくと、無駄な支出を抑えやすくなります。
例えば、ハウスクリーニングや軽微な修繕について、自分で対応できる範囲と専門業者に依頼した方がよい範囲を切り分けて検討します。
また、引越しや仮住まいについては、複数社から見積もりを取り、時期や荷物量を調整することで費用削減につなげることができます。
このように、売却前に費用の洗い出しと見直しを行うことで、結果として手取り額を増やしやすくなります。

確認する控除制度 手取り額計算の流れ 事前チェックの要点
居住用財産の特別控除 売却価格からローン残債控除 発生しうる費用の洗い出し
所有期間や居住要件の確認 諸費用と税金の概算控除 控除適用の要件確認
確定申告での適用手続き 最終的な手取り額の試算 見積もり比較による費用削減


まとめ

自宅の不動産売却では、仲介手数料や印紙税、登記費用に加え、税金や引越し費用など多くの費用が発生します。
事前に「売却価格の何%かかるか」の目安と支払いタイミングを把握しておくことで、資金計画の不安を大きく減らせます。
また、控除制度や税優遇を上手に使えば、手取り額を増やせる可能性があります。
当社では、想定される費用の洗い出しから手取り額の試算まで丁寧にサポートしますので、まずはお気軽にご相談ください。

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